油圧ポンプの異常の判定と見つけ方について
ポンプが異常かどうかを判定するためには、正常状態の値をしっかりと
押さえておく必要がある。正常値は常に一定とは限らない。
真冬の環境変化や使用条件の変化などで多少変化するので、
各条件下の下での正しい値や傾向値を記録する必要があると思います。
・騒音での発見
ポンプの騒音は聴覚にもよるが、簡易騒音計で計測して傾向管理に
よる判断をする。ポンプ自身の内部部品の磨耗が大きい場合や、
油の粘度が大きかったり、フィルターの目詰まりなどで
吸入負圧が大きい場合も起こる。
空気を吸入している場合は、カリカリという音が連続的に発生する。
(エアレーション)
・ポンプの表面温度
ポンプの効率が下がるとポンプの温度が上昇する。
ポンプの表面温度の評価はタンクの油温との差で行う。
一般的には、ポンプの表面温度がタンク温度に比べて5K(5℃)以上
高い場合は、効率が大きく低下していると見る。
・ポンプ本体の振動は、取り付けボルトのゆるみや心出し不良などによって起こる。
また、流体的にはキャビテーションなどによって発生する。
・圧力計の振れの原因
ポンプの効率低下やリリーフ弁の不安定などによって起こる。
ポンプ効率低下は異常音を伴うので、ポンプの異常の判断は圧力計の振れと
異常音とを合わせて判断する必要がある。
・アクチュエーターのスピードダウンの原因
ポンプ効率が低下するとアクチュエーターのスピードが低下する。
また、この原因だけでなく、各種バルブ類の漏れの増大によっても起こる。
ポンプに起因する場合はポンプの表面温度が上昇するので、
これと合わせて判断する必要がある。